科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

骨太の方針、ニッポン一億総活躍プラン閣議決定ほか

2016年5月30日〜2016年6月6日

★経済財政運営と改革の基本方針2016 〜600兆円経済への道筋〜
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2016/decision0602.html

 いわゆる「骨太の方針」が閣議決定されました。

P11

研究開発投資の促進
「第5期科学技術基本計画」に基づき、IoT、ビッグデータ人工知能に係る研
究開発等について、将来必要となる技術を特定し今後の展望をロードマップとして描き、
一元的な司令塔の下、官民を挙げて推進するとともに、新たな価値創出のコアとなる強
みを有する基盤技術の強化・基礎研究の推進、企業・大学・国立研究開発法人等におけ
るオープンイノベーションの推進や機能強化、及び民間における研究開発投資の促進を
図る。これにより、2020 年(平成32 年)までに官民合わせた研究開発投資を対GDP
比4%以上とすることを目標とするとともに、政府研究開発投資について、「経済・財政
再生計画」との整合性を確保しつつ、対GDP比1%にすることを目指すこととする。
期間中のGDPの名目成長率を「中長期の経済財政に関する試算」の経済再生ケース
に基づくものとして試算した場合、第5期科学技術基本計画期間中に必要となる政府研
究開発投資の総額の規模は約26 兆円となる。また、人工知能の普及に伴う社会的・倫理
的課題に関し国内外の議論を進める。加えて、世界最高水準のITインフラ環境、その
運用を行う人材の確保及び生活に密着した分野における利活用促進、サイバーセキュリ
ティ対策、知的財産戦略の推進、先端技術の国際標準化に、官民挙げて取り組む。

P46

科学技術については、「第5期科学技術基本計画」に基づき、官民合わせた研究開
発投資でGDP比4%以上(政府1%)を目指す。その中で、民間資金の導入が一
層促進されるよう、制度整備等を行いつつ、政府研究開発投資を行う。あわせて、
PDCAをしっかりと回し、重点化を図っていく。

★「ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年6月2日閣議決定
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/index.html#plan

P12-13

奨学金制度の拡充)
現在の奨学金制度は、家庭の経済事情、本人の能力などに応じて様々な支
援措置が講じられているが、依然として無利子奨学金を受けられない学生が
いる、あるいは、社会に出た後の返還負担に不安を覚え奨学金を受けること
を 躊躇する学生がいることが指摘されている。このため、家庭の経済事情
に関係なく、希望すれば誰もが大学や専修学校等に進学できるよう、安定財
源を確保しつつ、以下のように奨学金制度の拡充を図る。
無利子奨学金については、残存適格者を解消するとともに、低所得世帯の
子供に係る成績基準を大幅に緩和することにより、必要とするすべての子供
たちが受給できるようにする。
有利子奨学金については、固定金利方式・金利見直し方式ともに現在の低
金利の恩恵がしっかりと行き渡るようにする。特に、金利見直し方式を選択
した場合、現在の金利水準に照らせばほぼ無利子となるような仕組みを検討
する。
給付型奨学金については、世代内の公平性や財源などの課題を踏まえ創設
に向けて検討を進め、本当に厳しい状況にある子供たちへの給付型支援の拡
充を図る。
奨学金の返還については、卒業後の年収が 300 万円以下の場合には 10 年
間の返還猶予が適用され、更に、申込時の家計支持者の世帯年収が 300 万円
以下で卒業後の本人の年収が 300 万円以下の場合には無期限返還猶予が適
用される。こうした制度の周知徹底を図るとともに、社会に出た後の所得に
応じて返還額を変化させる新たな所得連動返還型奨学金制度を平成 29 年度
(2017 年度)の進学者から速やかに導入することで、大幅な負担軽減を図
る。

P17

第4次産業革命
インターネットを介して全てのモノが繋がり、収集・蓄積されたビッグデ
ータを人工知能が解析することで、人間だけでは思いつきもしなかった新し
い価値、商品、サービスが生まれる。未知の領域に力強く踏み出し、世界に
先駆けて第4次産業革命を実現するため、産学官の 叡智を結集し、製造現
場など我が国の強みを 活かした戦略を官民で共有する。
ビジネスの世界の新潮流である IoT16・ビッグデータ人工知能とロボッ
トや情報端末等も活用し、自動走行や製造現場等での産業応用化を促してい
く。また、サイバーセキュリティに十分配慮しつつ、企業や組織の垣根を超
えたデータ利活用を推進する。第4次産業革命を我が国全体に普及させる鍵
は、中堅・中小企業である。中堅・中小企業のニーズに寄り添い、現場目線
で IT やロボットの導入が進められるよう支援する。

P22-23

イノベーションベンチャー創出力の強化)
世界に先駆けて第4次産業革命を実現できるかは、オープンイノベーショ
ンを実践し、企業の内外のリソースを効率的かつ柔軟に活用できるかにかか
っている。産学連携の体制を強化し、企業から大学・研究開発法人への投資
を、今後 10 年間で3倍に増やすことを目指す。また、国内外からトップ人
材や投資を呼び込む産学官の戦略研究拠点を、来年度中に少なくとも5か所
創出する。人工知能は第4次産業革命における勝敗の鍵を握っていることか
ら、産学官の 叡智を集め、縦割りを排した「人工知能技術戦略会議」を本
年4月に設置した。研究開発目標と産業化のロードマップを、本年度中に策
定する。機動的な意思決定の下、迅速かつ大胆な挑戦ができるベンチャー
業は、オープンイノベーションの相手先として極めて有望である。地域のベ
ンチャーと世界市場をつなげるため、民間主導の中核組織を本年度中に創設
し、各省の施策を一体的に動員する。

(多面的アプローチによる人材の育成・確保)
人工知能等の活用によって、仕事の内容や働き方は劇的に変化していくと
考えられるが、データを活用して付加価値を生み出すのは「人材」である。
第4次産業革命を支える人材の確保・育成に向けて、初等中等教育における
プログラミング教育の必修化をはじめとする IT を活用した教育の全国展開、
高等教育における大学院・大学での数理教育の強化、特定国立研究開発法人
等における世界レベルの研究者を糾合した研究と人材育成の一体的推進な
どに着手する。あわせて、獲得競争が激しい高度外国人材を我が国に惹きつ
けるため、世界最速級の「日本版高度外国人材グリーンカード」を導入し、
高度外国人材への永住権付与を迅速化する。

 人工知能が大きなテーマとなっているわけですが、総合科学技術・イノベーション会議でも議論が始まっています。

人工知能と人間社会に関する懇談会(第1回)
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/ai/1kai/1kai.html

議題

(1) 人工知能と人間社会に関する検討の国内外の動向について
(2) 「AIネットワーク化検討会議」について
(3) 「次世代人工知能技術社会実装ビジョン」について
(4) 各構成員からの発表
(5) 今後の進め方について

島尻大臣 写真で見る動き > 「人工知能と人間社会に関する懇談会(第1回)」に出席
http://www.cao.go.jp/minister/1510_a_shimajiri/photo/2016-069.html

★「規制改革実施計画」(平成28年6月2日 閣議決定
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/160602/item1.pdf

★「IoTセキュリティガイドライン(案)」に関する意見募集
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=145208784&Mode=0

★防衛装備・技術政策に関する提言
〜「技術的優越」なくして国民の安全なし〜
https://www.jimin.jp/news/policy/132382.html

 自民党の提言です。軍事研究に関しては、日本学術会議が議論をはじめるなど、近年議論になっていますが、賛否飛び交うと思われる内容です。

P2

総合科学技術・イノベーション会議への防衛大臣の参加
文部科学省経済産業省に次ぎ、政府内における研究開発費の第3位の実
施主体である防衛省の大臣が総合科学技術・イノベーション会議の構成員に
入っていない。安全保障の観点から科学技術・イノベーションに関与するこ
とを目的として、防衛大臣を当該会議の構成員に追加すること。

日本版 DSBの設立
政府内に、安全保障上特に重要な科学技術分野の課題について、科学技術
や安全保障の専門的知見を有する有識者による調査・分析・評価及びこれら
に基づく提言等を行う態勢(日本版 DSB)を構築すること。

P3

研究開発予算の大幅な拡充を図ること。その際、宇宙、サイバー、電子戦、
無人化技術も含め戦略性を有する技術やゲーム・チェンジャーとなり得る技
術に対して、段階に応じ切れ目なく必要な資源を投入すること。

安全保障技術研究推進制度について 100 億円規模へと大幅に拡充し、安全
保障に資する基礎研究を行える態勢を整えること。また、デュアルユース技
術も対象としている、革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)等のハイ
リスク・ハイインパクトな研究開発等を目的とする事業を、政府全体で発展・
拡大し、安全保障にも資する研究をより一層推進すること。

★「もんじゅ」の運営主体の在り方について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/019/houkoku/1371588.htm

★私立大学研究ブランディング事業
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/1371675.htm

私立大学ブランディング事業、文部科学省が各校に通知
http://univ-journal.jp/7746/

★先導的大学改革推進委託事業調査研究報告書一覧(平成27年度に終了した調査研究)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/itaku/1371414.htm

★宇宙開発利用部会 X線天文衛星「ひとみ」の異常事象に関する小委員会(第1回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/084/shiryo/1371443.htm

資料1-1 X線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」異常事象調査報告書
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/084/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/06/01/1371443_1.pdf

★平成29年度国立大学法人等施設整備の方向性
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/042/gaiyou/1371517.htm

★所得連動返還型奨学金制度有識者会議(第9回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/069/gijiroku/1371297.htm

★科学技術・学術審議会(第54回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu0/shiryo/1371166.htm

議題

分科会からの報告について
第5期科学技術基本計画の推進について
第8期における各分科会等の今後の検討事項について
最近の科学技術・学術の動向について

★就職状況調査
http://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_syusyoku.html

特別研究員−PDの就職状況(概要)
http://www.jsps.go.jp/j-pd/data/pd_syusyoku/27_pdgaiyou.pdf

特別研究員−DCの就職状況(概要)
http://www.jsps.go.jp/j-pd/data/pd_syusyoku/27_dcgaiyou.pdf

 かつて事業仕分けで縮減が言われた「学振」です。

★五庁共同声明2016(東京声明)に合意しました〜第9回日米欧中韓五大特許庁長官会合の結果について〜
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160603008/20160603008.html

★次世代火力発電の早期実現に向けた協議会(第6回)‐配布資料
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/jisedai_karyoku/006_haifu.html

次世代火力発電の早期実現に向けた協議会(第6回)-議事要旨
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/jisedai_karyoku/006_giji.html

水素発電の実現への道筋示す、温室効果ガス80%削減の切り札
http://www.sankei.com/life/news/160530/lif1605300031-n1.html

★医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会 中間とりまとめ
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000126444.html

平成28年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書について
http://www.env.go.jp/press/102556.html

環境白書を閣議決定 温暖化対策は新ステージに
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/160601/cpd1606010500003-n1.htm

EU、2020年までに欧州全科学論文への無料アクセス達成を採択
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=8660

すべての科学論文の閲覧が2020年から無料に? EUが基本合意
https://gunosy.com/articles/RFumT

先週既報

★EC、オープンデジタルサイエンス最終報告書を公開(調査報告書)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=8671

★The Genome Project-Write
http://science.sciencemag.org/content/early/2016/06/03/science.aaf6850

Scientists reveal proposal to build human genome from scratch
http://www.sciencemag.org/news/2016/06/scientists-reveal-proposal-build-human-genome-scratch

Plan to synthesize human genome triggers mixed response
Some admire project's ambition; others say that it hasn't justified its aims.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nature.2016.20028

ヒトゲノム合成計画、米科学者らが発表
https://gunosy.com/articles/aw3T9

★The developing world needs basic research too
The establishment of an agency in Indonesia that will support 'frontier research' is a welcome development, argues Dyna Rochmyaningsih.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/534007a

★エルゼビア、G7研究レポートカードを公開
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=8678

★外国人留学生の増加によって米国の科学・工学系大学院生数が増加
http://crds.jst.go.jp/dw/20160602/201606028667/

★Heart monitoring device wins top African prize
A device that aids diagnoses of heart diseases in particularly rural Africa has won a top engineering prize.
http://www.scidev.net/global/engineering/news/heart-monitoring-wins-african-prize-1.html

★Why South Korea is the world’s biggest investor in research
The Asian nation is spending big in the hope of winning a Nobel prize, but it will need more than cash to realize its ambitions.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/534020a

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