科学・政策と社会ニュースクリップ

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科学技術政策公開質問状、みんなの党からの回答

問1 改正労働契約法について

b. 労働契約法を再改正すべきである

問2 大学院博士号取得者の数について

c. 現状より増やすべきである

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

b. 推進すべきであるが、研究者の懸念に配慮する必要がある

科学技術政策公開質問状、民主党からの回答

問1 改正労働契約法について

e. その他(具体的に)

 民主党政権において、労働契約法の改正を行いました。ご指摘の通り、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときには、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールについては、本年4月から施行されています。
 目的は、有期労働契約の反復更新の下で生じる雇止めに対する不安を解消し、働く方が安心して働き続けることができるようにするため、労働契約法を改正し、有期労働契約の適切な利用のためのルールを整備することです。
 もし、ご指摘のような事態が生じているとすれば問題だと考えます。改正法の本来の趣旨にあうよう、法律の厳正な適用も含めて取り組んでいく課題だと考えます。
 あわせて、研究者の処遇改善を進めます。大学などの理系カリキュラム改善やインターンシップ産学官連携で推進し、またテニュアトラック制(任期付き研究者が審査を経て専任となる制度)の普及などにより優秀な若手研究者を支援します。また、研究者が研究に専念できる環境を整備するため、補助員の配置などに対する支援を検討します。

問2 大学院博士号取得者の数について

e.その他(具体的に)

 問1での回答した点もふまえて、対応してくべきと考えます。具体的に何人の博士号取得者が出るべきか結論を出していませんが、博士号取得者も含めて若手研究者の能力が十分発揮でき、適した職に就けるよう環境整備につとめていきたいと考えます。

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

f. その他(具体的に)

 日本版NIHについて、民主党として検討した経緯はありませんが、以下のような政策を提言しており、こうした点もふまえて、議論すべきことと考えます。
 研究開発型の独立行政法人を最大限活用します。研究開発型の独立行政法人について、世界の第一線で競う研究開発の特性に応じ、研究開発成果を最大限活用するための制度構築・運用改善を行います。
 研究の中核となる大学の研究力を強化し、世界で戦えるリサーチユニバーシティ(研究大学)を増強すること、世界最先端の研究基盤の整備・共用を推進し、世界の研究者を惹きつける国際的な研究拠点を充実します。

科学技術政策公開質問状、公明党からの回答

問1 改正労働契約法について

c. 問題であると認識している(調査検討の上対応を考える)

問2 大学院博士号取得者の数について

c. 現状より増やすべきである

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

b. 推進すべきであるが、研究者の懸念に配慮する必要がある

科学技術政策公開質問状、自由民主党からの回答

問1 改正労働契約法について

e. その他(具体的に)

 改正労働契約法以前の問題として、若手研究者や研究支援者、非常勤講師等の雇用を安定させる基盤を強化し、日本の未来を切り開く研究開発に繋げていくべきだと考えています。具体的には単なる任期付きではないポストを大幅に増やすとともに、キャリアパスを多様化するため産業界の研究職や知的財産管理等の研究支援に携わる専門職での活躍を支援していきます。また、公的研究機関におけるポスドク等を対象とした専門人材育成を支援し、若手研究者が自立して研究に専念できるよう新たな研究資金制度として当該研究者の名前を冠にした「冠プロジェクト」を創設します。

問2 大学院博士号取得者の数について

e.その他(具体的に)

 就職難の問題については問1で回答した通りですが、この回答の前提として、大学院教育の質向上に着目すべきだと考えています。そのため、日本でトップレベルの研究活動をしている大学院を重点的に支援し、世界トップレベルに引き上げます。また、世界トップレベルの研究活動をしている国立大学は特区化し、諸規制の撤廃やオープンラボ、研究サポートスタッフの設置を義務化していきます。さらに、世界トップレベルの研究には海外の優れた研究者との共同研究が不可欠です。そこで、奨学金の充実や生活環境の整備を推奨し、海外の研究者の受け入れを大幅に拡充します。これによって日本が国際的な(特にアジア・環太平洋諸国における)産業競争力を高め、経済が活性化し、産業基盤が強固となることで研究者の雇用が拡大する、研究者の生活が安定すればさらに優れた研究に繋がる、という好循環が生まれてきます。科学技術の発展のためには博士課程修了者の数にこだわるのではなく、このような好循環を生み出す政策を実施していきます。

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

a. 問題はなく、推進すべき(基礎研究軽視は誤解である)