科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

【ひとこと編集後記】 参院選後の科学技術政策は?

 第23回参院選が終わりました。与党の圧勝でねじれ解消という結果になりました。

 科学技術政策は相変わらず争点になりませんでした。ただ、逆に言えば、どの党が政権を取ろうとも、政策をチェックし、提言していくことが重要になります。

 自民党公明党がどのような政策を行うのか。

 質問への答え
自民党
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20130715/p2

公明党
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20130715/p3

 や公約
自民党
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20130707/p1

公明党
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20130707/p2

 が実行されるのか。ほかの野党がこれらに対しどう対処していくのか、しっかりとみていきたいと思います。

2013年参議院議員選挙

★各党への公開質問状

各党に科学技術政策に関する公開質問状を発送しました(7月5日)。

各党の回答を公開しました(7月15日)。こちら

★各党の科学技術政策、大学政策に関する公約の記載をピックアップしました。

こちら

原発、エネルギー政策などに関しては、他で比較がされていますので、そちらをご参考にされてください。

参議院議員選挙2013「マニフェスト・公約 比較表」

脱原発でみる政党の政策比較

随時追加していきます。

★各党の政策へのリンク(随時更新します)

自民党
https://www.jimin.jp/policy/manifest/index.html

公明党
https://www.komei.or.jp/policy/manifesto/2013.html

民主党
http://www.dpj.or.jp/policies/manifesto2013

日本維新の会
https://j-ishin.jp/pdf/2013manifest.pdf

みんなの党
http://www.your-party.jp/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%802013%EF%BC%88%E5%85%A8%E4%BD%93%E7%89%88%EF%BC%89.pdf

日本共産党
http://www.jcp.or.jp/web_policy/html/2013sanin-seisaku.html

生活の党
http://www.seikatsu1.jp/activity/party/act0000093.html
http://ysk.verse.jp/home/blogimages/seikatsuA4mani-0702-web2.pdf

社民党
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/images/130620.pdf

みどりの風
http://www.adjustbook.com/lib/?us=2933&bk=6327

新党大地
http://www.daichi.gr.jp/pdf/20130702.pdf

緑の党
http://greens.gr.jp/2013kokkai_info/6213/

科学技術政策公開質問状、緑の党からの回答

問1 改正労働契約法について

b. 労働契約法を再改正すべきである
e. その他(具体的に)

bまたはe
研究者にとって研究の継続性・長期性が保障されることも必要不可欠であり、短期的あるいは経済的な利益等の成果で業績が判断されるべきではないと考えます。
ご指摘の改正労働契約法の本来の趣旨は、有期契約で働く労働者が「雇い止め」によって失業するおそれなくし、安心して働けるようにするということにありました。しかしこの導入によって、雇い主側が5年を超えないように契約期間を短くしたり更新回数を制限する、あるいは5年直前の「雇い止め」するという問題も、すでにチェーン店や国立大学法人等で出ており、私たちも重要な問題であると認識しています。これは、新しいルールをどのように適用するかが、もっぱら雇い主の裁量に委ねられていることに大きな問題があると考えます。任期制の導入とも連動して、「5年ルール」の導入が研究者や教員の「雇い止め」を頻発させるおそれがあることを私たちも強く懸念しています。
私たちは、「5年ルール」が本来の趣旨に反して「雇い止め」を増やすことがないように、研究分野にとどまらず全ての労働分野において政府による監視の強化、雇い主側との交渉・協定が必要だと考えます。さらに、非正規労働者の生活や雇用を安定させるために、「正規雇用」化の推進に加えて、同一価値労働同一賃金の実現、社会保険への加入の義務化の促進、「雇い止め」の制限などによって、正社員との格差や差別をなくすことがまずは急がれると考えています。特に現実問題として、非常に不安定な状況に置かれている若い研究者層の安定化は急務と考えます。
その上で、研究分野においては、継続的・安定的・均質的な労働が求められる公共インフラ・サービス関連分野の就業形態や条件と一律の論理や考え方ではなく、「成果」も考慮されるべきだという議論も、一定の合理性があると考えます。しかしその「成果」や評価については、日本学術会議が昨年報告しているように「教員や研究者の個人業績評価については、評価の実施目的や評価結果の活用方策が明示されておらず、教員・研究者の多様な活動内容や属性に配慮した評価項目・基準の設定に適切さを欠く。研究課題評価については、研究活動や成果・インパクトの多様性に配慮した評価基準となっていない。大型の研究課題等の評価者の選定も透明性・公平性の点で課題が残されている。さらに、各種の研究資金制度や研究開発プログラムに対する評価はいまだ十分に行われておらず、競争的資金制度の全体構成や基盤的資金とのバランスの適切性の検証といった施策・政策レベルの評価も、今後の課題」(「我が国の研究評価システムの在り方〜研究者を育成・支援する評価システムへの転換〜」2012.10)との指摘もあり、現行の評価制度に大きな問題があることを私たちも認識しており、特に安易に短期的・経済的利益等が重視されることも大きな問題だと考えています。
私たちとしては、研究者の安定した労働条件・環境を確保したうえで、創造性豊かな研究が確保・発展されるための制度・体制づくりについて、特に当事者の皆さんの声を踏まえた上で、成果の受益者である市民も含めた広い議論や理解が必要だと考えます。

問2 大学院博士号取得者の数について

d.回答保留

 数については明確な回答を持ち合わせていません。
 この設問の趣旨から考えれば、やはり問1の回答で述べた点も含め、研究機関のあり方も含めた議論が必要だと考えます。博士号の授与の基準が現行のまま各大学等の自由裁量の要素を維持するべきか標準化すべきなのか、そもそも社会として博士号に何を期待するのか、その質はどうあるべきか、等広い議論が必要であり、それを抜きにして数を論じることはできないと思います。

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

d. 反対である

社会制度や考え方が根本的に違うところに、アメリカの制度を単純に導入することはそもそも無理があると考えます。また、この発想はやはり「成果」を重視した考えに裏打ちされていると考えますが、研究者や研究機関のあるべき姿やその成果や評価の考え方の本質的合意や議論の無いまま、安易な基準による成果主義を導入すれば、基礎的研究や時間のかかる研究が軽視され、さらには大学の格差や二極化も広がり、「淘汰」の名の下で日本の研究体制の崩壊や若手研究者の労働環境のさらなる深刻化を招くことになりかねないと考えます。

科学技術政策公開質問状、社会民主党からの回答

問1 改正労働契約法について

c. 問題であると認識している(調査検討の上対応を考える)

問2 大学院博士号取得者の数について

d. 回答保留

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

e. 回答保留

科学技術政策公開質問状、生活の党からの回答

問1 改正労働契約法について

c. 問題であると認識している(調査検討の上対応を考える)

問2 大学院博士号取得者の数について

c. 現状より増やすべきである

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

b. 推進すべきであるが、研究者の懸念に配慮する必要がある

科学技術政策公開質問状、日本維新の会からの回答

問1 改正労働契約法について

e. その他(具体的に)

テニュア提供は各機関が判断すべきことと理解しており、法の介入は最小限が望ましい。

問2 大学院博士号取得者の数について

c. 現状より増やすべきである

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

b. 推進すべきであるが、研究者の懸念に配慮する必要がある

科学技術政策公開質問状、日本共産党からの回答

問1 改正労働契約法について

b. 労働契約法を再改正すべきである

◆労働契約法改定にともなう混乱への当面の対策
 昨年改定された労働契約法の実施に関して、大学における有期雇用の実態と法改定の影響について国による調査を求めてまいります。有期雇用の大学教職員、研究者、非常勤講師に契約更新5年上限を予め求めることは法改定の趣旨に反する行為であり、やめさせます。有期契約が1回以上反復されて5年経過した雇用を無期契約に転換した場合に、国が大学に対して財政支援する奨励制度をつくります。大学や研究機関が期限のある国の資金でプロジェクト研究を行う場合に、その資金で有期雇用される研究者や職員を期限終了後も雇用するための財源を国が責任をもつべきです。
◆労働契約法の再改定について
 「働く人が安心して働き続けることができる社会を実現する」という法改定の趣旨に反して、「雇止め」の動きがおきるのは、改定労働契約法が有期労働を臨時的・一時的業務に限定するといういわゆる「入口規制」がないためです。また、脱法的な「雇止め」を防止する規定がないことも問題です。こうした法改定を求めてまいります。
◆無限定な有期雇用の導入はやめるべき
 そもそも、大学教職員への無限定な有期雇用の導入は、教育研究や支援業務の健全な発展を妨げています。実際に、全員任期制を導入した大学では、優秀な研究者が流出し、大学の社会的な評価が急落し、見直しを余儀なくされています。国による誘導策をやめさせ、導入に歯止めをかけます。大学教員、研究員の任期制は任期制法の廃止を含めた見直しを行い、大学においては正規雇用を基本にすべきです。

問2 大学院博士号取得者の数について

e.その他(具体的に)

理由 本来、社会の発展にともなって、大学院博士号取得者数は増やしていくべきです。しかし、残念ながら、博士号取得者の増加にみあって、博士号取得者が活躍する場を確保できていないのが現状です。いわゆる高学歴難民、高学歴ワーキングプアが増え、研究者になる魅力がゆらぎ、博士課程進学者が減っています。私たちとしては、博士課程修了者の就職難の解決など、当面の問題を解決するために力をつくしたいと考えます。

問3 「日本版NIH(仮称)」構想について

d. 反対である

理由 安倍内閣の「日本再興戦略」がうちだした「日本版NIH」は、医療技術の実用化の為の研究開発を国が決める計画に従ってトップダウンで推進しようとするもので、生命科学などの基礎研究を支援する資金配分団体である米国のNIHとも異なります。実用化の土台となる多様な基礎研究の発展を阻害する危険が強いため、その設立に反対します。大学や研究機関の基盤的経費の充実とあわせ、科研費のような専門家による審査で配分される資金を充実させるべきです。